吟詠コンクールについて 

(公財)日本吟剣詩舞振興会主催の「全国吟詠コンクール」を主に、いろいろな吟詠コンクールがあります。日頃の練習結果・実力を確認するために、出場されることをお勧めします。主な吟詠コンクールの規定について説明します。

【全国吟詠コンクール大会】

主催:(公財)日本吟剣詩舞振興会  ←出場者が最も多い
1. 大会内容
(1)三河地区予選大会:毎年4月上旬頃 岡崎市甲山会館岡崎市せきれいホールなど
(2)愛知県予選大会:毎年5月中旬頃 江南市民文化会館大府市勤労会館など
(3)中部地区予選大会:毎年7月中旬頃 刈谷市総合文化センター(アイリス)など
(4)全国決勝大会:毎年9月下旬頃 笹川記念館(東京)国際ホール
2. 出場者・入賞者の区分

出場者区分出場者年令入賞者区分備 考
幼年の部13才未満入選 優秀賞 奨励賞年令:コンクール当日の満年令
性別(男・女)は不問
赤字入賞者は上位大会に出場可
少年の部19才未満
青年の部19才~35才未満入選 優秀賞
一般一部35才~55才未満
一般二部55才~70才未満
一般三部70才以上

※青年の部までの区分は平成28年度より上記に変更
3.指定吟題・伴奏曲
   ●指定吟題は前年9月頃 (公財)日本吟剣詩舞振興会より発表される
【参考】
1.【調和審査の目安】について(2015/5「吟剣詩舞」誌より)
どの審査員も、常に比較しながら最初から最後まで審査基準を変えないことに最も気をつかう
安定度の差」とは音程の安定性で、声質によるハーモニーの違い・伴奏曲とのズレは対象外。将来的には全ての音楽的調和が目標。
●審査員Aの場合
「普通」(可も無し不可も無し、点数:15~14)の点数を予め決めておき、最初の出吟者が「普通」に対して上か下かを判断し点数を決める。
●審査員Bの場合

点数目    安
20
19
終始抜群の安定感を保ち、当日これ以上の吟者は登場しないであろうと予想できる場合。
しかしながら一人目は19点にとどめ後番それを凌ぐ吟者の登場に備える。
18
17
終始微塵の不安をも感じさせず、伴奏曲とも心地好く調和して聞こえる。
18と17の違いは安定度の差。
16
15
音程にほとんど狂いは無いが、伴奏曲との一体感にやや欠ける点がある。
16と15は安定度の差で判断する。
14
13
音程に狂いがあるとまでは言えないが、ストライク(音程の)を取ろうと置きにゆく球のように、勢いと安定感に乏しい。
14と13の違いは安定度の差。
12明らかに不安定であり、安心して聞いていられない。
11明らかに不安定であり、明らかに狂った個所がある。
10終始不安定であり、時々狂う
9終始不安定であり、頻繁に狂う
8
7
わずかだが狂ったまま戻らない
6
5
1/4本以上狂ったまま戻らない
4
3
半本以上狂った
2
1
0
一本以上狂った

2.【わたり】について
熟語の一拍目と二拍目の音の高低が異なることが、アクセントの大原則である。よって、この高低差を明確化するため『わたり』をアクセントの重点項目(ポイント)とする。
『わたり』、すなわち、熟語の一拍目と二拍目の音の高低が異なっているかどうかの判断は、二拍目 の語に移行する際の高低差が、語の頭の部分(『わたり』の二拍目の語「た・TA」を仮に父音部分「T」と母音部分「A」に分解したときの父音部分「T」) から高低差がついているかどうかがチェックされます。『わたり』の多くは父音部分は一拍目と同じ高さで、母音部分から高低差をつけるというのが大半と考え られます。
アクセント(音程差)と言葉の音節(音拍)が一致しない場合(ズレ)は審査の減点対象となります。ズレの時間が約1/20秒程度(わずかにわたった)1点減点、これ以上ズレると2点減点,ズレが5ヶ所もあれば10点減点となる。慣れた審査員ほど「わたり」に敏感で減点が多くなります。
「わたり」の規制で「品のない吟」は少なくなりますが、一方「芸術的わたり」が期待されます。

言葉花は・・・柔らかに・・・留意点
(音程差)
わたり音拍音程吟  じ  方
無し一拍目
二拍目
(ラ)
(ファ)
は(Ha)
   ╲る(Ru)ーは(Wa)・・・
    わ(Wa)ーら(Ra)
   ╱       ╲
や(Ya)           か(Ka)ーに(Ni)・・・
「一拍目(子音)」と
「二拍目(母音)」の音程差なし
有り一拍目
二拍目
(ラ)
(ファ)
はーる(R)
    ╲(u)ーは・・・
    ズレの時間
   (a)わ(Wa)ら(Ra)か(K)
  ╱          ╲
や(Y)            (a)ーに・・・
「一拍目(子音)」と
「二拍目(母音)」の音程差あり

また、一拍目と二拍目の音の高低差が無い「無アクセント」についても、『わたり』に準じてチェックされます。
この『わたり』は吟詠に味わいを出す効果もあり、必ずしも否定されるべきものではないが、コンクールでは規定を守らなければならない。現時点では岳精流独特の節調 「)・月型」 なども「わたり」ととられる恐れがある。
3.【失格要件】 吟詠時間(2分超過) 詩文の誤読 態度 

【全国吟詠合吟コンクール大会】

主催:(公財)日本吟剣詩舞振興会
1.大会内容全国決勝大会:
   毎年11月上旬頃 日本武道館(東京)
2.出場者・入賞者の区分
   出場者:一団体は30~35名(届出:35名) 出場順番は事前抽選
   入賞者:上位3団体 (4位~25位は入賞)
3.指定吟題・伴奏曲・吟詠音程(本数)
●指定吟題は前年11月頃 (公財)日本吟剣詩舞振興会より発表される
●伴奏曲・吟詠音程(本数)は不問(但し日本吟剣詩舞振興会指定の「吟剣詩舞道伴奏集」および「続・吟剣詩舞道伴奏集」より選曲)
参考】平成27年度予定
  開催日:平成27年11月8日
  出場チーム(全国合計):48
  出場チーム(岳精流):  
    総本部女子
    多摩岳精会男子・女子
    六郷岳精会女子
    千代田岳精会男子
    三河岳精会男子・女子

【吟士権者決定詩吟大会】

主催:愛国詩吟総連盟
1.大会内容
(1)愛知県大会:毎年6月中旬頃 一宮市スポーツ文化センター
(2)全国決勝大会(予選・決勝):毎年9月~10月頃  尼崎市総合文化センター
2.出場者・入賞者の区分

出場者区分出場者年令入賞者区分備  考
第一部(一般の部)不問第1位:吟士権者性別(男・女)は不問

赤字入賞者は全国決勝大会に出場可

前年度の優秀賞は全国決勝大会に出場可
(出場枠に変動あり)
第2位:準吟士権者
第3位:準々吟士権者
第4位~第15位:入選者
第16位~第30位:優秀賞者
第二部(指導者の部)第1位:吟士権者
第2位:準吟士権者
第3位:準々吟士権者
第4位~第9位:入選者
第10位~第12位:優秀賞者



3.課題詩・伴奏曲・吟詠時間 (平成29年~平成32年(4年間は不変))

出場者区分課題詩:吟題(作者)伴奏曲
第一部(一般の部)四行詩
(絶句)
日本詩1.九月十三夜(上杉謙信)指定伴奏曲「燦燦(かがやき)」
「皓皓(きらめき)」

吟詠時間:制限なし
2.楠公訣子(頼 山陽)
3.大楠公(徳川景山)
4.舟中聞子規(城野静軒)
5.太田道灌(不  詳)
6.出郷作(佐野竹之助)
7.寒梅(新島 襄)
8.寄家兄言志(広瀬武夫)
9.獄中作(橋本左内)
10.九段桜(本宮三香)
中国詩11.登鸛鵲楼(王之渙)
12.贈汪倫(李 白)
13.春夜洛城聞笛(李 白)
14.感 事(于 濆)
15.江南春(杜 牧)
第一部(一般の部)
決勝課題詩
律詩日本詩1.愁思詩(菅原道真)指定伴奏曲「燦燦(かがやき)」
「皓皓(きらめき)」

吟詠時間:制限なし
2.本能寺(頼 山陽)
3.大楠公(河野天籟)
4.近江八景(大江敬香)
5.桜花詩(不 詳)
6.月夜聞荒城曲(水野豊洲)
7.述懐(蒲生君平)
中国詩8.春望(杜 甫)
第二部(指導者の部)律詩日本詩1.九月十五夜(菅原道真)指定伴奏曲「燦燦(かがやき)」
「皓皓(きらめき)」

吟詠時間:制限なし
2.述 懐(雲井龍雄)
3.児島高徳(斎藤監物)
4.獄中有感(西郷南洲)
5.楠公墓前作(吉田松陰)
6.詠小楠公母(本宮三香)
7.母(松口月城)
8.逸題(西郷南洲)
9.磯原客舎(吉田松陰)
10.平野国臣(松口月城)
中国詩11.曲江(杜 甫)
12.山中月(真山民)

【ジュニア・シニア燦々優勝者決定詩吟大会】

主催:愛国詩吟総連盟(2011年より開催された)
1.大会内容
  (県予選)ジュニア・シニア燦々競吟大会(主催:県吟剣詩舞道総連盟)一宮市スポーツ文化センター
  (決勝大会)ジュニア・シニア燦々優勝者決定詩吟大会(主催:愛国詩吟総連盟)尼崎市総合文化センター
2.出場者区分 出場者年令  入賞者区分
 ともに「吟士権者決定詩吟大会」と同じ

出場者区分出場者年令入賞者区分
ジュニアの部義務教育中の者
(小・中学生)
第1位:優勝者
第2位:準優勝者
第3位:第三位者
第4位~第10位:入選者
第11位~第13位程度:優秀賞者
残り出場者全員:奨励賞者
シニアの部75才以上第1位:優勝者
第2位:準優勝者
第3位:第三位者
第4位~第7位:入選者
第8位~第20位:優秀賞者



3. 【県大会】指定吟題・伴奏曲・吟詠音程(本数)
   吟士権者決定詩吟大会と同じ
  【決勝大会】指定吟題・伴奏曲・吟詠音程(本数)
   吟士権者決定詩吟大会と同じ


【参考】「吟士権者決定詩吟大会」と「ジュニア・シニア燦燦優勝者決定詩吟大会」の両方に出場可能
                

愛国詩吟総連盟・優勝者決定詩吟大会で、みごと入賞!!

森島龍和先生

昨日(平成27年8月9日)尼崎総合文化センターに於いて愛国詩吟総連盟主催の第7回ジュニア・シニア燦々優勝者決定詩吟大会が行なわれました。
我が三河岳精会の森島龍和先生が、去る6月14日の愛知県予選大会に優勝して出場されました。
当日200名の出場者のなか第一次予選通過12名の中に入り決勝へ進出、見事 全国第五位 に入賞されました。
あっぱれ 誠におめでとうございます!!
また来る9月21日笹川記念館 全国吟詠コンクール決勝大会(日本吟剣詩舞振興会主催)にも再び出場されます。更なるご活躍が期待されます。 



【参考】少壮吟士制度について

 日本吟剣詩舞振興会では、吟詠の芸術的向上を図り、吟剣詩舞道界の将来を担う人材を育成するために少壮吟士(しょうそうぎんし)制度を設けています。
少壮吟士の称号を得るには、以下の条件を満たす必要があります。
全国少壮吟詠家審査コンクールの全国大会に3回入賞すること
日本吟剣詩舞振興会が行う少壮吟士候補特別研修会を受けること
年齢が35〜65歳であること
少壮吟士になると、日本吟剣詩舞振興会による少壮吟士特別研修会に参加し、研鑽を積むことになります。また、振興会が関わるテレビ・ラジオへの出演や、振興会の主催行事に出演する機会が与えられます。

全国少壮吟詠家審査コンクール

全国少壮吟詠家審査コンクールとは、全国の少壮吟詠家の日ごろの研鑽を競うとともに、優れた少壮吟詠家を選出するために開催しているコンクールです。
コンクールは都府県大会(第1次予選)、地区大会(第2次予選)、全国大会(決勝大会)の形式で行われます。
参加するには、日本吟剣詩舞振興会加盟の各団体・流・会所属の吟詠家で吟歴7年以上、指導歴3年以上で、35〜55歳(定年)かつ会長以上の責任者の推薦を受けることが条件となっています。




少壮吟士一覧(2015年10月31日現在)

氏 名(雅号)出身地流・会派名備 考
第三期佐々木 一景京都府詩歌吟詠景心流・少壮吟士
第五期八代 輝霊宮崎県淡窓伝光霊流・少壮吟士
第八期田中 祐泉兵庫県哲泉流日本吟詠協会・少壮吟士
松葉 水勲大阪府詩道楠水吟詠会・少壮吟士
第十二期 橋本 精淙
  橋本 精淙
北海道岳精流日本吟院・少壮吟士
 札幌岳精会会長
  北海道新聞
 北海道新聞(拡大)
山岡 翆山兵庫県吟道哲山流興風吟詠会・少壮吟士

第十三期
田畑 水姫大阪府詩道楠水吟詠会
徳田 寿風香川県吟道臥風流寿風吟詠会・少壮吟士

第十四期
 奥村 精曄
  奥村 精曄
東京都岳精流日本吟院・少壮吟士
 六郷岳精会会長
藤原 光伶子大分県淡窓伝光霊流
第十六期大森 英風香川県吟道臥風流麗風会
河田 﨟泉岡山県哲泉流日本吟詠協会
第十七期池田 嶺煌茨城県心嶺流吟詠心嶺会
第十八期大熊 岳秀福岡県日本詩吟学院岳風会・少壮吟士
第十九期北瀬 岳櫻石川県日本詩吟学院、白鳥吟詠会・少壮吟士
第二十期池田 菖黎奈良県関西吟詩文化協会
大伊達 不朽愛知県不朽流吟詠会・少壮吟士
清水 錦洲埼玉県錦水流吟詠会
田中 摂洋兵庫県吟道摂楠流
第二十一期梶田 鷹巌広島県雪峰流
前山 紫峰石川県吟道紫虹流
中野 吟紫茨城県吟生流・少壮吟士
第二十二期伊藤 契麗神奈川県契秀流吟詠会
明神 春岳高知県日本詩吟学院、高知岳風会・少壮吟士
岸本 快伸兵庫県関西吟詩文化協会、快川吟詠会・少壮吟士

第二十三期
八代 光晃子宮崎県淡窓伝光霊流八代 輝霊の弟子(娘)
久保 草風香川県臥風流吟詠会

第二十四期
大木 岳扇兵庫県日本詩吟学院岳風会
米本 耿泉岡山県哲泉流日本吟詠協会
第二十五期伏尾 琵城和歌山県賀城流吟詠会
中武 玲星宮崎県吟道藤星流
塩澤 宗鳳長野県寿岳流信濃吟詠会
塚本 光陽愛媛県吟道賀陽伝日本白潮流
第二十六期大澤 雅翠静岡県松風流掛川吟詠会
後藤 娟桜岐阜県天心娟桜流吟道会・少壮吟士
辻本 水晴奈良県吟道哲水流八洲吟詠会
田中 国臣神奈川県吟道国敞流国敞吟詠会
第二十七期陣川 虎鳳龍大阪府龍吟流実龍吟詠会
第二十八期長山 国嶺奈良県日本国風流
村岡 紫聖三重県紫洲流日本明吟会
山岡 桜山兵庫県吟道哲山流興風吟詠会山岡 翆山の弟子(娘)
今村 契鉅神奈川県契秀流吟詠会
第二十九期松葉 水緑大阪府吟道楠水吟詠会松葉 水勲松葉 水勲の弟子(娘)
宇井 修光千葉県日本修道流吟詠会
第三十期尾崎 水紅大阪府吟道楠水吟詠会松葉 水勲の弟子(娘)
小林 雅鵬神奈川県朝翠流
土澤 美岳栃木県吟詠アカデミーガクヨウ
山中 鈴鶯熊本県詩吟道日本吟声流
第三十一期前田 卓霊兵庫県淡窓傅光流
府川 麗心神奈川県瀞心流吟詠会
米山 岳麗富山県日本詩吟学院岳風会
第三十二期安藤 聖楓愛知県北辰神明流
向山 侑真熊本県吟道清吟流
佐々木 秀景京都府詩歌吟詠景心流佐々木一景の弟子(息子)
猪木原 氵虹泉岡山県哲泉流日本吟詠協会
第三十三期巽 吟城大阪府礒部流吟道清明会
梶原 麗修神奈川県吟道精修流
奥山 紅雋大阪府関西吟詩文化協会
第三十四期加藤 契琵神奈川県契秀流吟詠会
原田 光玲子大分県淡窓伝光霊流
菊野 桜山熊本県水真流
植田 飭菖奈良県関西吟詩文化協会
第三十五期和田 瑞鵬東京都朝翠流
松葉 水章大阪府詩道楠水吟詠会松葉 水勲の弟子(息子)
第三十六期青木 光茜子宮崎県淡窓伝光霊流
長谷川 素枀奈良県吟道素心会
辻 栄水福岡県栄陽流
向山 侑珠熊本県吟道清吟流
 堤 美山
  堤 美山
東京都岳精流日本吟院奥村 精曄の弟子(娘)
第三十七期浅田 聖謙愛知県聖風流
小池 貴心群馬県岳心流上毛岳心会
廣瀬 光詔子大分県淡窓伝光霊流



このページの最終更新日時:2020-04-02 (木) 13:18:24