音楽の科学

楽典(音楽の理論)を理解する前提として、音楽についての基礎知識を説明します。音楽を聴くことは楽しく心を癒す心理的な効果が強いですが、実体は物理学・数学の理論に支えられております。ここでは雰囲気的な雑学として理解して下さい。

1.音とは
  【音の正体】 空気の振動(圧力変化)が人間の聴覚に伝えられて「音」と認識されたものです。


上図をクリックすると太鼓を叩く音が聴けます (Windows Media Player)の下段 (消音)右向き三角(再生) (一時停止) 上段右上×(消画)
太鼓の振動  粗密波 
【純音】 もっとも単純な音で、言わば音の素粒子であり「正弦波(サイン波)」で表示されます

正弦波(サイン波)

周期(T) : 1回の振動に要する時間
周波数(f) : 1秒間に振動する回数(Hz ヘルツ)
振幅(A) : 音の大きさ(dB デシベル)


時報音や楽器のチューニングに使われるが
私たちの周囲の音は色々な周波数の純音が足し合わさって出来ている


純音を聴いてみましょう

プレイリストの操作方法

プレイリスト操作





【複合音】 純音が複数個組み合されたもので、さらに構成する純音の周波数が基本音(基音)の整数倍になっているもの(倍音)を「周期的複合音」という。
         楽器の音や人間の声は、周期的複合音です。
周期的複合音(同じ振幅)周期的複合音(違う振幅)音声波形

    振幅が同じの場合                    振幅が異なる場合
     周期的複合音(同じ振幅、200.400.600Hzの倍音) 最大音量にすると良く聴こえます

  【音の3要素】 音は三つの要素で構成されます。

音の3要素とは

性質\要素大きさ高 さ音 色
次元一次元多次元
物理的周波数
音の大きさ
音圧レベル(dB)
音圧レベル
音の高さのらせん的二面性
(音階 ・ 音色)
音の高さ(らせん)
周波数スペクトル
周波数スペクトル
音楽的楽譜の記号

音の長さ
音の長さ


音の強弱

強弱の音符



音 程 (音 律)
音 程
音の七つの役割
音の役割
主音:音階の基準音   属音:主音の次の主要音


音   階
音符
音   名
音名
長音階・短音階長音階・短音階
長音階 : 明るい音階      短音階 : 暗い音階

勇壮活発な長音階に対し柔弱憂鬱な短音階は学校唱歌から排斥されたがその反動でヨナ抜き長音階の唱歌がたくさん生れた。

能天気で稚拙なヨナ抜き長音階からヨナ抜き短音階が登場
【参考】ベートーベン「運命」(ハ短調)の出だし
「運命」楽譜
楽器・演奏法など
打楽器
打楽器
管楽器
管楽器
弦楽器
弦楽器
電子楽器
「シンセサイザー」など
シンセサイザー
心理的音の方向                                           音の速さ
音の方向                音の速さ

ソルフェジオ周波数 : あくまで「癒し」の音階のことです。 グレゴリアン聖歌などにも使われていた古代の音階のことです。
           その音は、特定の周波数を発し、物質と意識に働きかける効果があるそうです。

ソルフェジオ周波数


        6の周波数が心と体に作用します
         396Hz ⇒ 免疫系 
         417Hz ⇒ 腸 生殖器
         528Hz ⇒ 胃
         639Hz ⇒ 肺 心臓
         741Hz ⇒ 甲状腺 自律神経  
         963Hz ⇒ 大脳 皮膚|


 音の3要素



2.音楽について 参照日本音楽(邦楽)について
【音楽の3要素】 音楽はメロディを横糸に、ハーモニーを縦糸に、リズムでアクセントをつけて出来上がり」ます。

要   素性     質説 明・例 示
メロディ①音の高さ(ピッチ)の上下で構成される
②人間は音を「まとまり(群)」として知覚する
音の群化
③テンポが速くなると分離して聞こえる
(音脈分凝:②とは逆現象)
音脈分凝
メロディと運動感覚
音の上行・下行
音のピッチの上昇は、空間感覚の上昇・右方向への移動と対応
↑  →
音のピッチの下降は、空間感覚の下降・左方向への移動と対応
↓  ←
また、空間感覚の拡大(近接)・縮小(後退)と対応する
空間の拡大(近接)・縮小(後退)
リズム音の時間パターンの繰返し
一定間隔で繰返される「音のまとまり」
そのまとまり(テンポ・拍子)で躍動感が異なる
日本の拍子
間
リズムとテンポ
長短: 2拍子・3拍子・4拍子 /●●/●●/●●/ /●●●/●●●/●●●/
強弱: 弱・弱弱・弱弱  ● ●●●● ●●●


日本の「拍子」
日本の「拍子」には程良い長さの「()」がある
能:八拍子の間(ヤの間・ヤヲの間・ヤヲハの間)
三味線:「表間」・「裏間」・「表間」・「裏間」
ハーモニーピッチの異なる音(和音・協和音)を同時に重ねる
メロディにハーモニーをつけると豊な音響となる
それが「和音・協和音」⇒詩吟の楽典
和音
和音
協和音
協和音
完全1度(ユニゾン)  ''完全8度(オクターブ)
音  色音色を変化させるには

詠むときの顔の表情
声量の大小
声の明暗
声の軽重
声の艶渋
声の高低
発声位置
などいろいろな技術がありますが控え目にして下さい。多すぎれば理性を感じなくなります。
能ある鷹は爪を少しだけ見せる

他に基音と倍音・楽器・演奏法など
基音と倍音
基音と倍音
三味線を弾く
三味線を弾く
日本の楽器は倍音を含んだ音色を出すものが多く、また三味線の「サワリ」は噪音効果が出るように工夫されている。
ポルタメント (portamento )演奏技法ある音から別の音に移る際に滑らかに徐々に音程を変えながら移る奏法
旋律を情感豊かに歌うために使用されるが乱用は悪趣味であるとされる
邦楽、中国音楽などアジアの芸術音楽では多用され重要な音楽表現技法
 西洋的ポルタメント
 息を上に廻すよう意識して音程移動
 日本的ポルタメント
 重力の法則に従って息をおとしてゆく

【世界の音階】

分類項目内 容説 明
教会旋法一般に使われている音階は「ド」から始まる長音階「ラ」から始まる短音階ですが
中世の教会音楽ではそれ以外の基音から始まる音階があった。

教会旋法

プレイリストに対応

 「」から始まる 

 「」から始まる 

 「」から始まる 

 「ファ」から始まる 

 「」から始まる 

 「」から始まる 
5音音階中国中国の「五声」
           音名の身分的な意味と性質
            「」:君主 中心音
            「商」:臣下 感情音
            「角」:民 骨組音
            「徴」:事 明るい響音
            「羽」:物 感情音
中国の「五声」
        ()(ラ)()
       ()(ソ)()

   (かく)(ミ)()
   (しょう)(レ)(ファ)
(きゅう)(ド)()

)が宮(主)音の場合
日本ヨナ抜き音階
     ド レ ミ (ファ(四番目音)) ソ ラ ((七番目音))ド

              4種類の音階(テトラコルド)
日本の「五音音階」
日本の「五音音階」
ヨ・ナ(ファ ・ シ) 抜き音階)
唱歌「蛍の光」が有名

西洋音階(七音階)と五音音階の折衷音階が
ヨナ抜き音階

邦楽と洋楽の融合
宮城道雄:洋楽  邦楽
本居長世洋楽  邦楽


4種類の音階(テトラコルド)
「ド」で始まり「ファ」で終わる

民謡:民謡らしい旋律
律 :雅楽の基礎音階
沖縄: 琉球的な音楽
都節(みやこぶし):三味線曲・筝曲
声明の音階
声明の音階
      声 明(しょうみょう)

中国伝来の音楽理論がベースで
あらゆる邦楽の源泉と云われる



五音(五声)が基本となり

ヨナ抜き五音(ド・レ・ミ・■・ソ・ラ・■)

オクターブ
 初重(低音)・二重(基礎音)・三重(高音)



【詩吟と尺八・箏の音階】(琴古流 平調子の場合)
詩吟と尺八・箏の音階



【笛・鼓】
笛鼓
3.ボーカル(歌声)について
人間が聴きとれる音の大きさ(周波数)

音と周波数

人間の声は言葉を伝えるために多彩な音色を作り出すことができ、
またピッチを自由にコントロール出来ます。
この特徴を生かしたのが「歌」で、声帯の振動によって得られる。
声帯の振動数は100~300Hzで、声の基本周波数(ピッチ)です。周波数と可聴域


周波数帯
年齢別可聴周波数
ソルフェジオ周波数 : 6の周波数が心と体に作用します
 396Hz: 罪・トラウマ・恐怖から解放     417Hz: マイナスな状況から回復、変容促進  528Hz : 理想への変換、奇跡、細胞回復

 639Hz:人とのつながり関係の修復      741Hz :表現力向上、問題の解決    852Hz:直感力覚醒、目覚 963Hz :宇宙意識



超音波の活用
人間には聴きとれない超音波(24KHz~)を利用した「超音波スピーカー」など、さまざまな技術開発が進んでいます。

超音波スピーカー

その仕組み
超音波スピーカーは波長が少し違う複数の超音波を重ねることで、人間に聞こえる「うねり」ができ、狭い範囲に真直ぐ届く(左図中央)


形状の工夫
超音波スピーカーを内側に曲げることで、音はいったん一点に集まり、その先で広がる。スピーカーの曲がり具合を自動で変化させれば、音の広がり方を調整できる。(左図左)





音像ホログラム

今後の活用
超音波スピーカーの応用が進んでいます。「音像ホログラム」はホログラム(立体的映像を空中に映し出す技術)に超音波スピーカーの音を重ねると、遠くの人が身近に感じられるテレビ電話。

駅や交差点信号での聴覚障害者への利用。

さらに空間を音で分け合う「空間シェアリング」で、一つの公園や部屋で左端は年寄りのラジオ体操・中央は若者のダンス・右端は子供たちの遊戯など。

音をめぐる環境は、必要な人だけに必要な音が届けられるように様変わりすかもしれません。


上記画像・説明は中日新聞(2014.10.26 サンデー版)より抜粋転載させていただきました。


発声のメカニズム

喉頭図
声帯
喉頭
喉頭口に始まり、気管に移行するまでの内腔を喉頭腔といい、空気の通路であると同時に発声器でもあります。その壁は喉頭軟骨、靭帯、喉頭筋、粘膜からなります。



声帯
喉頭腔の真中ごろの両側壁に声帯ヒダ
(声帯)があり、左右の声帯ヒダの間を
声門裂といいます。声帯ヒダと声門裂を合わせたものが声門です。声門を調節し声帯を振動させて、いろいろの声を出します。

発声メカニズム

まず、人の身体は通常の管楽器に比べ、
共鳴管部分の長さが非常に短いのです。
共鳴管部分とは、発振部分(声帯)から大気までの管状の部分を指します。
声帯から唇までの長さは男性でも約17cmで、
そんなに短い管楽器は、めったにありません。
ちなみに17cmの管が共鳴する最低音は約500Hzですので、
音叉より1音高い程度です。
人の身体は低音を出すようには出来ていないと言えます。


通常の「あいうえお」の場合     「ん」や鼻に抜いた声の場合

「あいうえお」の場合
「ん」や鼻に抜いた声の場合

そこで、色々工夫する訳ですが、まず音の通路は口よりも鼻に抜いたほうが、共鳴管部分が長くなりますので、より低い響きを出すことが出来ます。ベースの歌詞の母音に「ん」が多いのも、この為であると考えられます。次に、喉(口腔)を開くことにより、声帯を下方向に移動させて口から遠い位置にすれば、共鳴管部分を太く長くすることができ、より低音を響かせることが出来ます。 「ん」の発音によって、共鳴管部分が長くなる様子を補足しておきます。左図の赤い部分よりも、右図の赤い部分のほうが長いことが分かります。


次に「声帯のしくみ」についての概要を看てみましょう

上の映像はメールマガジン「アートジャム」より転載させていただきました。
動画のストーリー概要  声帯とは、声を出すための大切な器官です。
[声帯の位置]
声帯は、喉仏(のどぼとけ)の奥にあります。声帯は、気管と肺につながっています。肺は横隔膜の上にあります。
横隔膜が上に持ち上がると、肺は圧縮されて、息が吐き出されます。この時、声を出すことができます。
次に、横隔膜が下がると、肺はふくらんで、息が吸い込まれます。息を吸うときは、普通、声は出せません。
[声帯の形]
声帯は、一対の、左右対称の粘膜のひだです。周りの筋肉によって、その動きが調節されます。
呼吸しているときは、声帯は少し開いています。声を出すときは、声帯は閉じて、肺から出てくる空気に押されて、振動します。
[高い声・低い声と大きい声・小さい声]
声帯を緊張させて閉じると、声帯の振動数が多くなって、高い声が出ます。
逆に声帯を緩めて閉じると、声帯の振動数が少なくなって、低い声が出ます。また、声帯を厚くして強い息を吐くと、大きな声が出ます。
逆に、声帯を薄くして弱い息を吐くと、小さな声が出ます。
[男性の声と女性の声]
男性と女性は、声帯の大きさが違います。
男性の声帯は、長く、厚いため、低い声を出しやすいのです。
一方、女性の声帯は、短く、薄いため、高い声を出しやすいのです。
[声域]
一番高い声から一番低い声まで出せる範囲を声域といいます。
一方、日常の会話で使われる声の高さの範囲を話声位(わせいい)といいます。
話声位の範囲はとても狭く、声域の中のほんの一部に過ぎません。声域にはかなりの余裕があります。
そのため、練習をすれば、声域の範囲内で、話声位の範囲を変えることができます。たとえば、話し声を今よりも高くしたり、低くしたりことができます。また、練習をすれば、それ以外にも、地声の質を変えることもできます。
[音色尊重主義]
日本音楽では、噪音を含んだサビのある渋い声を深みのある声として、また高い声が好まれる傾向にある。


いろいろな声の特徴を聴いてみましょう
ベルカント唱法 : オーケストラの厚い音の壁を突き抜ける声。喉頭を下げることで高音域を強めた共鳴特性が得られる。
ホーミー : 一人で詠う二重唱。モンゴルに伝承される歌唱法で、一人が同時に低域のうなり声と高域のメロディを出す。


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