吟道とは

礼と節

吟礼(ぎんれい)
岳精流では、吟詠(教室での練習、吟詠会など)を始めるにあたって、礼儀をとても大切に考えています。

         宗家信条                    岳精会会詩

真善美
岳精会会詩

真・善・美(しん・ぜん・び)

認識上の真と、倫理上の善と、審美上の美。人間の理想としての普遍妥当な価値をいう。


岳精会会詩
【語釈】
極致:最終的に到着するところ
一句:言葉のひとくぎり
粛然:おごそかで心の引締まるさま
自ら識る:自然に判る
古道顔色を照らす:文天祥(ぶんてんしょう)(中国・南宋の忠臣)の正気(せいき)の歌の結びのことば、後世の人々(藤田東湖・吉田松陰・広瀬武夫など)を感奮興起させた
賢聖:賢人と聖人
英傑:英雄豪傑
双眼:両目
秀麗:優れて美しいこと
萬世:よろずよ(万代)
巍峩:山の高く聳えるさま
東海:東方の海→日本国
【解説】
岳精会会詩の入魂式を昭和年月に鎌倉円覚寺続灯庵で挙行


習得心得

【岳精会 詩吟習得心得】 (岳精会「詩吟習得手帳」より)
吟の習得に、また態度に、真面目さを欠くとき、その人の吟は死吟になる。我々は、生きた吟をやるためには、常に謙虚な気持で、真面目に勉強することが大切である。(横山岳精)


★ 正しい発声
★ 正しい音程
★ 正しいアクセント
★ 的確な詩心表現
★ 礼節をわきまえた態度


【師範の心得】(三河岳精会々長・深浦精正)
。先ず 自分の健康に心がける
。流統の吟調 を正 しく指導す る
。指導は激励であると心掛けること
。みんなのや る気を起 こさせ る指導をす る
。指導者 は時間を守ること
。例え一人でも全力投球 して指導にあたる
。吟の勉強はもちろん人生の勉強 も怠るな (吟 は人な りである)
。酒 と男女関係 と金に注意せ よ (特 に金の貸 し借 りに注意)
。会員を増やせる魅力のある指導者になれ
。祈 りの心を忘れ るな (謙虚な心を忘れ るな)
。あ の人の吟は岳精流だ と分かる人になれ
。指導者は会員のためにあるのだ とい うことを忘れ るな
。自らには厳 しく、他人には寛大になれ
。指導者は奉仕の精神が必要である
。指導者 は感謝の気持 ちを持つ こと
。出来るだけ宗家の人柄、吟法に触れること
。指導者は会員の為にあるのだ とい うことを忘れ るな
。指導者は吟に燃 えない といけない
。人に喜びを与え人に幸を与える人生は幸せな人生であるとい う気持で指導す る
。勉強 して帰 る人の後姿を見よ……満足 しているか どうか
。会員一人一人の気持ちを心 として指導す る…または しよ うと努めること
。先生 と呼ばれ るか ら自分は人格者だ と勘違いす るな
。総て吟ずることにより始まるのだ…吟詠の研鑽を怠 るな
。礼 と節を忘れるな (自 分に其れがあるか反省し他人にばか り要求す るな)
。吟の指導者は大衆 とともにあ りなが ら抜きん出ていなければな らない
。吟縁は良縁である…指導者はその使者であるからその自覚、使命感 を持つ こと
。吟に貴賎な し、声に貴賎な しで指導にあたる
。指導の三原則①や さしく ②分か りやす く ③面 白く を心掛けること
。師範の自覚を持 ち自信 を以つて指導すること…グラグラしてはな らない
。自分は吟だけの先生であることを忘れ るな…人生の先生は会員 さんが先生だ
。上段者であることをいばらず、下段者を親切に指導せよ
。「詩を吟ず ることにより…」を忘れるな、年数が経つ と吟 じなくて口だけ達になりがち  

岳精流吟道の奥義(おうぎ)

原 精龍

原 精龍先生(初代・北九州岳精会会長)(宗家・横山精真の先生)
『吟道』は詩吟・吟詠等の同類語ではあるが、厳密に考えると芸能・掟・方法・芸風を含み、その真髄、至高の芸境を指向を目指しておる。かつ『』の中に教える者と、教えを受ける者との関係が厳存しており、精神的・宗教的雰囲気を持つ。詩吟は身近にあるが、吟道ははるか遠くの高い山頂にある。一年また一年と詩吟を学び、年輪ができ吟詠人としての自覚ができ始めると、吟道の世界がほのかに開けてくるであろう。岳風師の遺書に「吟道は修道的に発達せしむべきであり、指導者を誤らぬように、ご尽力ください云々」とある。岳精流吟道の奥義は全くこの遺書の精神に沿って、宗家の訓話として機会あるごとに訓示されておる。「岳精語禄」は正に宝庫である。
内容の根元は宗家の人格であり、宗家の永遠なる「命」「霊」「気」である。それに目覚めることは、宗家の吟を真剣に聞くこと以外に方法は無い、それから先は「いのち」の醍醐味を深めてゆくことを続けなけれならない。宗家の発する「いのち」の波長に同調するチャンネルを自己の内に作り出すことである。

臍下丹田

そのチャンネルは臍下丹田(さいかたんでん)にあるようだ。
『臍』は「月」(にくづき)と「齊」(いつく、神に奉仕する意)より成り、
(へそ)は神の座」を示している










岳精流統の根元、宗家の永遠の「いのち」に早く目覚めよう!
(「吟魂燃ゆ」より抜粋させていただきました。)

 
詩吟は世のため、人のためにあるとの信念に燃え、詩吟を通して世の中に奉仕しているとの精神で精進すべし。
 この言葉は始めであり、かつ終わりである。詩吟に対する根本的な姿勢で、自己規制の言葉である。
今日、生きることに感謝し、今日、吟ずることに感動する。
 まず素朴に生きていることを喜びたい。生きていることは全ての根源であることを改めて認識し、天地自然と多くの人々との良縁に支え
 られてきたことが実相であり、神仏のおかげと味わいたい。
吟は自分独りが楽しむだけでなく、善男善女のうつくしい繋がりがありがたい。
 その中心に自分が居ることを自覚することだ。宗家と教場の間に会長、会長と会員の間に教場長が居る。このつながりが精神的連帯感で
 あり、団結・一体感となり同志愛・吟友愛が生まれる。師と弟子の深い絆・先輩後輩の関係の中には『礼』と『節』による厳然とした掟
 がなければならない、これを壊しては「吟道」は存在しない。
師範は吟の巧者である前に、人格者であること。
 師範の資格は人格と実力である、常に勉強し休んだり怠けたら、力が低下する。やらねばならぬ! と決めたら腹の底からやる気が燃え
 上がる、言霊の力というべきか。
相手を見て法を説く、十把一からげにして教えてはならない。
 時間の制限をいつも考え、時間・場所・相手を見極めて適切な指導をする。この気配りがないと、教場がなんとなく落ち着かず、
 出席率が落ちてくる。こんな状況に気づいたら、師範は自己反省をする。
弟子に負い目を感ずることのないようにせねばならない。
指導については極めて厳しく、かつ惚れられる師となること。
縁作りを心掛けること、直接・間接に多くの何人かの弟子に影響をあたえていることを考える。
 それぞれの弟子は、実社会では経験を積んだ立派な方々ばかりである。弟子の厳しい目と優しい目を感じながら教えることが、
 「吟道即人道」である。
たとえ相手が一人でも、全力投球で指導せねばならない。
 相手を選り好みしたり、自分の身勝手な気分でお茶を濁してすますことは決して許されぬ自らを正して全力投球し、その熱意で感動
 せしめ、やる気十分にさせることが肝要である。
指導は優しく、わかりやすく、面白く、素直でなけらばならない。
愛情と厳格との区別を明確にし、指導者意識を露骨に出してはならない。
岳精語録はまさに師範心得である。   
               師範の本音?チョット 息抜きしましょう) 

                          元唄「風雪ながれ旅」(カラオケ)

歌詞「詩吟ながれ旅」

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詩吟ながれ旅

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岳精語録(抜粋)

岳精語禄





抜粋が極めて難しく、すべてが至高の言葉です。










【巻一】昭和62年(1987)6月刊
★ 春ここに 天にも地にも情あり(天地有情)
  古来日本は「大和の国」と呼ばれ『和』を愛した国民です。指導者は自らに厳しく人には寛大な心と協調で会の運営を計って頂きた
  い。
★ 吟は健康の基 一吟は一薬に勝る 百吟は百薬に勝る
  人生は先ず健康です、精神(心)にも栄養が必要です。今の時代は肉体面では栄養過多で、精神面では栄養失調と云われております。
  古人曰く「吟じ終わりて 清風起こる 一吟天地の心」と。
★ 物の豊かさより 心の豊かさを 吟は心を豊かにする
  物は街にあふれている。日本経済の発展は目覚ましいものがあるが一番大事なものを忘れている、それは心だ。金で買えない心
  を大切に、詩を吟じて豊かな心を養おう。
★ 天に星あり 地に花あり 我に吟あり
  煌く天の星 美しく咲く地の花のような「日日是好日」の毎日を過ごしたいもの。    
★ 一人一人に夫々の人生がある 一人一人に夫々の吟がある
  花には菊の花もあれば、一生懸命咲く野の花の美しさを忘れてはならない。吟の世界に音痴はない、生徒を上達させることが
  出来ない指導者は、自らの力不足を反省すべきだ。
★ 吟は心のともしびなり 心のともしびを消すことなく 暗夜行路を進もう
  灯火は暗夜に光を与えてくれる。人生行路は明るいことばかりではない、そんな時、心の支えになるのは吟であり吟友だ。   
★ 愛とは尽すことなり 吟道は人に尽すことなり 吟は愛なり
  愛とは奪うものであってはならない、与えるものだ。吟の道も総ての人に尽すことである、指導者には忍耐と地道な努力が必要だ、
  指導する者と習う者との呼吸がピタリ合ったとき成果が上がる。愛の鞭とともに、公平でなけれならぬ。   
★ 吟道は、終着駅のない線路を進んでいるようなものだ 生涯勉強だ あせらず楽しみながら進もう
  じっくりじっくり一段一段着実に上って行く、吟の余韻が心地良い波長となって人の心ゆさぶる。数多い古今の名詩に埋もれながら
  楽しく吟の旅をつづけよう。   
★ 人生はいつでもこれからだ 吟の道もいつでもこれからだ 初心を忘れず頑張ろう
  肉体は年と共に衰えるが、心の美しさ豊かさは年齢に比例しない。いつでもこれからだ、常に謙虚な気持で勉強しよう。  
★ 吟友から愛される人になれ それには先ず 吟友を愛することだ
  良い友を持つことは大きな財産だ、友達が居ない人生は淋しい。会員から尊敬され愛される先生にならなければならない。西郷南洲の
  「敬天愛人」と同じく吟道も亦然りである。   
★ お返しの人生は尊い 吟を通して お返しの人生を送ろう
  この世に生を享けて今日に至るまで、実に多くの恩を受けて来たことを忘れてはならない。会長・支部長・教場長も吟の普及は世の中
  のためになるとの信念の下に、頑張って頂きたい、それがお返しの人生につながるのだ。   
★ 『実るほど頭を下げる稲穂かな』 人生も吟の道も又然り
  人間は肩書が総てではない、所詮裸で生れ裸で死んでゆくのだ、肩書を振り回す人間になってはならない。   

野の仏

★ 吟は祈りなり 一心に吟ずる姿は 一心に祈る姿だ
  円覚寺続灯庵主須原耕雲先生は岳精流の吟を、地蔵さんの心を心として吟ずる流統だと表現している。
  即ち祈り吟だと云うことだ、吟にはその人の人柄がニジミ出るものだ。私は一心に吟じている人に神を見出す、
  まさに祈りの声であり 祈りの姿だ。   


★ 人生は年と共に友は減るが 吟友は年と共に増える 又楽しからずや
  年を老いるに従い仲間がだんだん減って行く、淋しいことだ。しかし吟友は有難い、吟友を大事にしよう。
★ 人生は出会いだ 吟縁を大事にしよう 吟縁に感謝しよう
  人生は所詮人と人との関わりであり出会いだ。その出会いが人生を決定づける、詩吟をやる人に悪人は居ない、恩師・木村岳風先生
  との出会いが私と吟との結び付きを決定的なものにしたのだ。吟縁に感謝しよう   
★ 吟の道は人の道なり 吟を学ぶことは 人の道を学ぶことだ
  吟剣詩舞道は「礼と節」をその心とする。子弟の礼節が第一歩である、社会的身分・地位・年齢の如何を問わず、吟の道では先輩や
  師を敬うことを忘れてはならない。礼節をわきまえない者は、いかに吟がうまくても一文の価値も無い。
★ 良い言葉に逢うことは 良い友に逢うことと同じだ 吟は良い言葉の宝庫だ
  吟の講評などの場合 不用意に発した一言が相手を深く傷つけ、吟の意欲をなくすことがある。出来るだけ相手の良い点(長所)
  を見つける努力をすることが大事だ。漢詩は作者が苦心して作ったもので吟者の胸を打つ、我々は吟ずることにより言葉の宝庫より
  珠玉の言葉を引き出すことが出来る。
★ 読書百篇 意自ら通ず 一詩百吟 意自ら通ず
  古来名作といわれる著書は何度も読み返してみる度に感銘を又深くする。「その詩は前に習いました」と不満気にいう会員がいるが、
  詩は一回習ったからといって終りのものではない、まさに一吟一吟 百吟することで、その理解が自然に深まるものだ。謙虚な気持で
  清吟して作者の心に触れたい。
★ 一日一日を 大事に生きよう 一吟一吟を 大事に吟じよう
  歳月はまさに光陰矢の如しだ、神様は誰にも何時まで生きるという保証を与えてくれない、明日が判らないのが人生だ。茶の道に
  一期一会と云う言葉がある、
  円覚寺須原耕雲師は稽古の心得を『稽古をば 晴れにするぞと たしなみて 晴れをば常の 心なるべし』と歌った。
  惰性の一日でなく 真剣な一日一日を  惰性の一吟でなく 真剣な一吟一吟を。
★ 岳精会の徽章は 八咫(やた)の鏡だ 心と精神の象徴だ
  八咫鏡は三種の神器の一つだ。天照大神の御魂代として伊勢神宮に奉斎されている。鏡は姿を写すと共に又人の心をも写す。
  岳精会の徽章この徽章は会員の鏡のような心の輝きと旺盛な精神力を象徴している。誇りを持とう。
★ 人の気持が判る人になれ 人の吟の良さが判る人になれ
  「我が身をツネッテ人の痛さを知れ」という言葉があるが、相手の気持も判らずに不用意な一言が相手を傷つけることが間々あり
  勝ちだ、真剣に吟じている人の吟は真剣に聞いてやらなければならない。誰の吟にもその良さを見出す人になって貰いたい。
★ 一日の有難さをかみしめよう 一詩の有難さをかみしめよう 一吟の有難さをかみしめよう
  「行く川の流れは絶えずして しかも元の水にあらず」方丈記の書き出しである、万物流転総ては刻一刻変わっている、昨日も一日
  今日も一日そして明日も又一日と安易な考えではいけない。一日24時間の重みをじっくりと感じる充実した一日を過ごすよう心掛け
  なければならない。
★ さわやかな目覚め さわやかな心 さわやかな吟
  一年の計は元旦にあり、一日の計は朝にある。さわやかな目覚めにはさわやかな眠りが必要だ、夜更かしは良くない。太陽と共に起き
  太陽と共に寝る良い生活リズムを確立しよう。

吟は命

★ 花に命あり 詩に命あり 吟に命あり
  人間の生命は詩に較べると問題にならない。松口月城先生は ”賢聖英傑双眼の前” と
  詠んでいるが、我々は何時何処でも世界中の賢聖英傑を目の前に引き出すことができるのだ、
  詩に息吹くとき詩は生きた吟になるのだ、死吟では駄目だ。














★ 雨ニモ負ケズ 風ニモ負ケズ 吟一筋ニコノ一年
  師走の月を迎えると、吟一筋の毎日を思い感謝の気持で一杯になる。亡くなられた吟友の
  ご冥福を祈り元気一杯で新年を迎えたい。
★ 気力 体力 吟力
  『吟道は気を養うの道なり、人の生や気なり、気尽くれば死す。』吟道精神だ。気力や体力が
  充実して初めて力ある吟が出来るのだ。今日一日「気力が欠けることがなかったか」反省しよう。
★ 文明の利器でも 心の垢を取ってくれない 吟は心の垢を取ってくれる
  我々は真・善・美を唱え、良寛の詩を吟じ、月に吟じ、花を詠じ、知らず知らずの中に
  心の垢を落としているのだ。「吟じ終りて清風起る」、まさに「一吟洗心」だ。
★ 詩の中に人生あり 人生の中に詩あり 吟は人生そのものだ
  詩は真であり 善であり 美である。吟は人生そのものだ。
★ 今は 心の健康を求める時代だ 吟は心の栄養剤だ
  月に詠じ花に吟ずる、一吟一吟が皆栄養になるのだ、師範は心に栄養を与える栄養士だ。
★ 毎日の人生のつみ重ねが その人の人生の足跡になる 吟も同じだ
  春夏秋冬の四季は必ず巡ってくる。何時までも青春でありたいと願っても、歳月人を待たずで必ず老齢となり、この世を去る運命
  にある。毎日の吟の精進がその人の尊い吟の年輪を刻んでゆくのだ、今日一日の精進に欠くるなきや反省すべきだ。
★ 富士はどこから見ても美しい 人間もそんな人になりたい 吟もそんな吟になりたい
  古来富士山ほど詠われ描かれた山は他にない、人間も多くの人に仰がれ尊敬される人になりたいものだ、果てしない吟の道を
  精進努力して歩みつづけよう。
★ 山の幸 海の幸 吟の幸
  石川啄木の「ふるさとの山に向いて」や「東海の小島の磯の」など、吟の幸を心ゆくまで味わおうではないか。

石川啄木ふるさとの山

吟詠:家元・横山岳精



【巻二】平成7年(1955)6月刊 主に処世訓
★ 大きな幸せでなくても 小さな幸せでも良い 大きな吟でなくても 小さな吟でも良い
  大きな会場や華やかな大会ばかりが吟の総てではない 吟は時には自分の心に聞かせるものだ。
★ 容姿は年と共に衰えるが 心美しさは衰えない 吟は心を美しくする
  長い人生経験を重ねた人の吟は尊いし、その心に触れるとき心が洗われる。「一吟洗心」 
★ 楽しみは半分に悲しみは倍に感ずるものだ 詩を吟じて人生を倍楽しもう
  今の時代は物は豊富で何でもあり楽しみは一杯ある様だが、本当の楽しみ少ない。吟を通して長くて短い人生を倍楽しもう。 
★ 吟楽
  大会だけの吟ではなく、風呂の中の一吟も又格別だ。
★ 人生は難しい 吟も難しい だから生きるのだ だから吟ずるのだ
  今日一日健康で無事であることに感謝し 強く生きることだ。長い間には何回も壁にぶつかるその時立ち止ったら駄目だ進むことだ。

良寛さん

★ 童謡を歌えば童心になる 詩を吟ずれば作者の心になる
  良寛さんは手マリをつきながら村の子供達と遊んで、日の暮れるのも忘れたという。
  童心にかえることは良いことだ、気持が純になる。 




★ 詩の味わいは 年と共に深くなる 吟も同じだ
  声の衰えを嘆くなかれ。吟は心で受け止めて作者の気持になったとき感動が生まれる。      
★ 精神満腹 吟詠満腹
  山岡鉄舟が清水次郎長に贈った書です。次郎長は「座右の銘」にして心の戒めとしたそうです。 
★ 昔は貧しさが人を教育した 今は豊かさが人を駄目にしている 自分に厳しくなければならない
  昔は日本全体が貧しかった、学校の生徒も先生の言うことを素直に良く聞いて勉強した。物の豊かな今日、我々は甘えを捨て自ら襟を
  正し吟道即人道、礼と節の道を歩まねばならない。   

千年の檜

★ 千年の(ひのき)は神様だ 千年の詩歌を吟ずれば 千年の心に帰る
  法隆寺の修復に当った宮大工・西岡常一棟梁は、その著書「木のいのち木のこころ」で飛鳥の木が残り
  昭和の木が腐るとはどうしたことかと書いている、千年の檜はまさに神様だと言っている。我々は千年も
  昔の詩歌を吟ずる時、千年も前の古人の心そのままになることは何とすばらしいことか幸せなことか。 


★ 水が揺れれば 月も揺れる 心が揺れれば 吟も揺れる
  「私の敵は、いっしょに走ったランナーではなく、私自身だ」アベベ選手(エチオピア)の言葉。
  自分に勝つことは如何に難しいことか、また自分に負けた時ほど惨めなことはない。 
★ 人生喜怒哀楽あり 吟も喜びあり怒りあり 哀しみあり楽しみあり 吟は人生だ
  人生には喜怒哀楽がある。古今東西を問わず実に多くの人が、これを詩にした。
    (ここ)に大白を浮かべて君が慶を祝す 琴瑟(きんしつ)相和して万年に(いた)らん(本宮三香「華燭の詩」)
    祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり(平家物語の一節)
    残躯(ざんく)は天の許す所 楽しまずして復如何せん(伊達政宗) 


【巻三】平成12年(2000)6月刊 「月の言葉」より
★ 吟は 亡き人への 鎮魂歌でもある(平成7年3月)
  「追悼の詞」を合吟して故人のご冥福を祈ることはよくあります。然し、故人が愛した詩を霊前に献吟することは大変意義あることだ
  と思います、故人の好きな詩を吟ずることは、亡き人への鎮魂歌でもあります。
★ 良寛さんの詩を吟ずれば良寛さんの心になる 万葉の歌を詠ずれば万葉の人になる 又楽しからずや(平成7年9月)
  良寛さんは沢山の漢詩・和歌・俳句を作り我々に残してくれました、その詩を吟ずる時、心の安らぎを覚えます、有難いことです。
  万葉集の歌は4,500首もあります、万葉の歌を詠ずると、心は自ずから1,200年も前の人の心になります、楽しいことです。  
★ 吟友 吟遊 吟勇(平成7年10月)
  吟を愛する人は皆我が友であり、吟友である。
  吟により、古今東西の名所旧跡に居ながらにして遊ぶことが出来る。
  我々は気力を失わないで勇気をもって吟に精進し、人生の困難を乗り切って行こう。
★ 歌に「懐かしの歌」「思い出の歌」がある 吟に「懐かしの吟」「思い出の吟」がある(平成7年11月)
  誰にでも夫々懐かしい吟・思い出の吟がある。吟行会に参加した会員には夫々懐かしい思い出の吟だ。
  懐かしい吟、思い出の吟を吟じて当時を偲ぶことも又吟の楽しみの一つだ。思い出の吟が我が心を潤す。
★ 物の奉仕 金の奉仕 心の奉仕 吟の奉仕(平成8年3月)
  どんな小さなことでも良いのです、
  自分が出来ることで奉仕を心がけ実行することで、どんなにか世の中が明るくなることでしょう。    
★ 礼に始まり礼に終る相撲は 吟剣詩舞と同じ精神だ(平成8年6月)
  呼び出しの声に土俵に上がった両力士がお互いに礼をし、の又負けた力士も礼をして土俵を下りる姿は日本的で良い、勝負に関しても
  相手の悪口を全く云わず、自分の反省を述べている態度もさわやかで良い。
★ 流汗悟道 吟詠悟道(平成8年9月)
  故・笹川良一先生は或る夏のこと先生と庭の雑草取りをした時「この雑草のように人間の心もほっておくと雑草が生えてくるんだ」
  と、汗をボトボト地面に落としながら話してくれましたことは、今も忘れることは出来ません。
  先生のように折にふれて、人の道を説き実行する人は全く少なくなりました。吟は理屈抜きで人の道を教えてくれております。
★ 陽春三月 花の好時節だ いやなことは忘れて吟じよう 春宵一刻値千金 春宵一刻値千金(平成9年3月)
  漂泊の俳人・種田山頭火は托鉢の行脚の毎日を送ったが「春夏秋冬あしたもよろし ゆうべもよろし」と詠んだ、彼は春も夏も秋も
  そして冬も四季折々の趣があってすばらしい、朝も夜も毎日毎日が良い一日だと詩を作っているのだ。その日の食にもこと欠くような
  漂泊の生活を「日日是好日」だとする心境はすばらしい、大自然の懐にドップリ浸かって彼独特の俳句を作った自然児山頭火の
  面目躍如たるものがある。我々も山頭火の心境にはなれないまでも、いやなことは忘れて神の恵みの春を歓迎しようではないか。

長野吟魂碑

★ 師の眠る地蔵寺山の松風に 我れ吟ずれば胸迫りくる
(平成9年6月)
  祖宗範・木村岳風先生は吟の普及発展のため全国を行脚され、遠く朝鮮・満州・中国まで足をのばされ、
  過労から病の犯すところとなり、昭和27年7月1日52才で逝去された。
  先生の墓は愛吟家の焼香で、一年中花や線香が絶えない
  「我が墓は地蔵寺山の見晴台 風吹くたびに松の吟声」を献吟した。
    生死何ぞ疑わん 天の附与なるを 願くは魂魄を留めて吟道を全うせん
    道半ばにして 肉体亡ぶとも 吟道を永遠の生命あらしめたい・・・・
  私宛の先生の遺言の一端だ。先生は私の胸の中に生きている。




★ 見ざる聞かざる言わざる 三猿の戒めを 思い起こそう(平成9年9月)
  言論の自由と言うことで、喧々囂々口角沫を飛ばしている姿を見ると、「議論畢竟世に功無し 」(古荘嘉門「失題」)の詩句が頭に
  浮かんでくる。昔の人は、見すぎ・聞きすぎ・言いすぎることを戒めたものだ。物言えば唇寒し秋の風、一言言い過ぎて相手の心を
  傷つけた時の気持はいやなものだ。何ごともホドホドにと云うことだ。
★ 堅忍不抜(けんにんふばつ)(平成10年6月)
  横綱・若乃花が伝達式で決意を示したときの口上です。父親を「親方」母親を「おかみさん」と呼ぶ相撲界に入り、下積みの苦労を
  なめて横綱になったのです。これは吟に精進する我々一人一人の言葉でもあるのです。
★ 年輪を重ねると共に 吟の真味が判ってくる 吟に終着駅なし(平成10年12月)
  邦家の前路容易ならず 三千余万蒼生を奈んせん 山堂夜半夢結び難し 千嶽万峰風雨の声 明治の元勲・木戸孝允が国の前途を
  憂いて、夜も眠れないという詩の一節だ。年とともに声量は衰えるが、逆に一詩一詩が心に響いて、作者の心の琴線に触れることは
  楽しく有難いことだ、吟に終着駅は無い。
★ ない ない ない ある ある ある 平和がある 命がある 吟がある(平成11年7月)
  ない、ないづくしの暗い世の中だが、一面ある、ある、あります。何といっても先ず平和、我々には平和がある。
  命がある、あたりまえと思ってはいけない、生かされている大事な命があることを知り、感謝の心を忘れず頑張らねばならない。
  そして我々には吟がある、吟友がある、吟友は有難い。有るのプラス思考で明るく行こう。
★ 一つ一つの行いの積み重ねがその人の人格を形成するのだ 一吟一吟の積み重ねがその人の吟格を形成するのだ
  (平成11年12月)
  人にはその人の人格があるように、吟にもその人の吟格があるようにおもう。その人の長い間の真面目な勉強の蓄積が、その人の
  吟格となるのだ。
★ 一隅を照らす者は国宝なり(平成11年7月)
  (あき)らけく後の仏の御代までも 光つたえへよ(のり)のともしび(最澄)  どんな片隅でも、その場所を照らすものは国の宝です。



【巻四】平成17年(2005)5月刊 「月の言葉」より(横山岳精吟道70周年記念品)
★ 一怒一老 一笑一若 一吟一寿(平成12年4月)
  古来多くの先哲偉人が「怒り」について警句を発している、「怒りは敵と思え」(徳川家康公遺訓)「決シテ瞋ラズ」(宮沢賢治)
  「笑い」については、「笑を含んで人に接すれば春風起る」(松口月城)「笑う門には福来る
  吟は姿勢を正し背筋を伸ばし、臍下丹田に重心を置き、腹式呼吸をするから健康にはもってこいなのだ。
  人は怒ると年を老り 笑うと若がえり 吟ずると長生きする
★ 「籠に乗る人担ぐ人」「椽の下の力持ち」を忘れるな(平成12年8月)
  籠に乗る人の陰には、多くの人の苦労がある、「担ぐ人」の陰には「草鞋を作る人」もいる。
  これら多くの人々のご苦労・ご協力に感謝申し上げたい。
★ 吟魂は吟根なり(平成12年12月)
  吟は魂である。吟の本当の根っ子は魂なのだ、魂の入らない吟は本当の吟ではない。それは天の声であり、自然の声なのだ。
  私は朝夕恩師木村岳風先生の遺影に合掌し、先生の吟魂を感得している。
★ 政治・経済・教育あらゆる面で 倫理が求められている 吟は人の道を教えている 吟の普及は世の中を良くする
 (平成13年2月)「礼節」は吟剣詩舞道のモットーだが、今や世界のモットーにもなっている。
 「朗吟の快味君しるや否や 此に人生有り此に真あり」(太刀掛呂山「勧詠詩」)、詩吟の中に真の人生が有ると説いておられる。 
★ 「仲良きことは美しきかな」 この言葉をかみしめよう(平成13年11月)
  「ケンカヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイイ」(宮沢賢治)、今の日本は喧嘩や訴訟がいっぱいだ。
 「蝸牛角上何事をか争う 石火光中此の身を寄す 富に随い貧に随い且く歓楽せよ 口を開いて笑わざるは是れ痴(癡)人」
 (白居易「酒に対す」)こんな短い人生に何でケンカして争っているんだ、仲良く人生を楽しめと教えている。
  小さな自分の回りからでもいい、仲良くすることだ。人と人・国と国とが仲良くすることは素晴らしいことなのだ。
★ 今の混濁の世に 吟で心を慰め 吟で心を洗うことは 救いだ(平成14年5月)
  目に青葉 山ほととぎす 初がつを(素堂)この名句を吟じて季節を味わい心を慰めよう。
★ 花に水をあげるように 乾いた心には吟を(平成14年11月)
  水がなければ花は枯れる。テロ事件の多発で、世界が何かと暗い、これに潤いを与えてくれるものは吟だ。
★ 美しい花のかげには かくれた根の力がある 見えないところの力を 忘れてはならない(平成14年11月)
  どんなに美しい花でも、「根っこ」がなければ咲かない。人間も五臓六腑が働いているからこそ生きているのだ。人は見えない
  ところの偉大な力をわすれてはならない、見えないところの力に感謝しよう。
 吟剣詩舞振興会会詩の意味を良く玩味しよう(平成16年10月)
  (あした)に吟じ(ゆうべ)に舞うて心身を練り 礼節()し来って互いに真を養う 
  世界は一家皆我が友 願わくは斯道(しどう)を興して人倫を正さん

  世界平和のため奔走された故・笹川良一先生の作です。テロで世界は暗く、恨みは恨みを生み終るところを知りません。
  今こそ世界は一家我が友の心で解決したいものです。

吟剣詩舞振興会会詩
笹川良一直筆

【公益財団法人 日本吟剣詩舞振興会
  世界は一家 人類は皆兄弟
笹川良一

日本吟剣詩舞振興会は、日本の伝統芸道である吟詠・剣舞・詩舞の向上振興と日本文化の高揚への寄与を目的とする財団法人として、日本船舶振興会(現・日本財団)の基本財産出捐により、昭和43年(1968年)10月に文部科学大臣の許可を受け、設立されました。法人設立にあたっては、全国の各流宗家や各団体の責任者から懇望されて笹川良一が初代会長に就任し、平成7年に第二代会長に笹川鎮江が就任しました。平成25年(2013年)4月には内閣府より認定を受けて、公益財団法人 日本吟剣詩舞振興会となりました。現在は菅原道雄が第五代会長を務めています。
全国の吟剣詩舞に親しむ人たちの総本山として、北海道・東日本・中部・近畿・中国・四国・九州各地区の7地区連絡協議会及び都道府県単位の51の吟剣詩舞道総連盟(北海道は5地区に分割)の公認組織を持っています。












年度指標

年 度指 標解      説 (要 約)
昭和53年(1978)万物総是師初回「月の言葉」
昭和54年(1979)
昭和55年(1980)
昭和56年(1981)感謝
昭和57年(1982)信頼信頼は一方交通ではなりたたない、先生と会員がお互い信頼し合って心の結びつきが生まれる。
昭和58年(1983)謙虚受不忘 施不語
 受けた恩は忘れぬようにしましょう。
 施した事は語らぬようにしましょう。
我々は自分の行いに「謙虚」になる時に、初めて本当のもの、真なるものに触れることが出来るのです。
昭和59年(1984)思いやり「他人の身になってみる」ことが必要、人の痛みが判る人になりたい。動物にも花にも、すべて生きとし生けるものに思いやりの心を持ちたい。
昭和60年(1985)克己(こっき)(おのれ)に勝つこと。欲望を抑えて礼儀を正しく行うことは、言うは易く行うは難しです。毎日が自分との戦いです。
昭和61年(1986)明朗吟の世界はとかく厳粛な雰囲気が多いものですが日常生活では、つとめて明るい朗らかな気持で居たい。今年は寅年「猛虎一声山月高し」
昭和62年(1987)前進日々新たな気持で、吟に取組みたいものです。
「真木深き 谷より出ずる 山水の 常新しき 命あらしめ」(今井邦子)
昭和63年(1988)誠実古今の多くの偉人傑士は『誠』の詩を沢山作っております。
「天下の万機は一誠に帰す」元田東野「中庸の結び」
昭和64年(1989)
平成元年(1989)
健康1月8日を以て元号が「平成」に変りました。昭和天皇の大喪礼が2月24日厳かに執り行れました
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」と云われていますが、
身体が病めば心も弱りがちです。吟は肉体にも心にも栄養を与えてくれます、襲いかかるストレスや雑音を吹き飛ばして健康な生活リズムを確立しましょう。
平成2年(1990)積極段々年をとると何かと総てに億劫になり、考えも動きも鈍く消極的になり、我がこと終れりといった感じになり勝ちでですが、これではいけません。人生は何時でもこれからです。これからやるぞと決意する時、そこに力が湧き張りが出てきます。
平成3年(1991)ゆとり「ゆとり」は人夫々に違うかも知れないが、一人一人自分の立場立場で、ゆとりを持つよう努力したいものです。それは自分で作るものだと思います。
平成4年(1992)安らぎ昨年(平成3年)ソ聯が消えました、世界はまさに大激動の時です。たくほどは 風がもてくる 落葉かな(良寛)この句を通して良寛さんの安らぎの心が伝わって参ります。安らぎを感ずるとき、人は幸せを感じます。「安らぎ」は自分で作るものだと思います。
平成5年(1993)素直(すなお)戦後自己主張が強くなり、何かと云うと直ぐ裁判裁判で訴訟が絶えません。それは素直な心が失われゴネ得が横行している世相の一端を現わしているのです。争わず又(つと)めず自ら百花の(さきがけ)を占む 新島襄(寒梅)
他の花と争うこともなく自然に雪の中に莞爾(かんじ)として咲く梅の花の素直な自然の心を学ぼうではないか。論語に曰く「六十にして耳順」
平成6年(1994)和楽(わらく)昨年(平成5年)は地震・台風・冷夏等々不況風の吹く中で年を越しました。国民不在の政治が続き暗い話ばかりです、今こそ吟で心を洗い、元気を出す時です。山あれば山を見る 雨の日は雨を聞く(種田山頭火)降る雨を止めることは出来ません、雨を楽しみながら晴れを待つことも大切です。
出典:兄弟既に具り 和楽し且つ(した)しむ常棣(じょうてい)」(詩経・小雅
平成7年(1995)おかげさまで平和日本に新年を迎えた「おかげ」をしみじみと思う。天の時、地の利、人の和、と天地宇宙総ての「愛」、総ての「おかげ」に合掌、感謝する気持でいっぱいです。
平成8年(1996)奉仕自分のことは後にして、世の為、人の為に尽すことです。戦後は民主主義の旗のもと自己中心の個人主義が極端になり、特に若い者の間では犯罪につながるような件も少なくありません。詩を愛する若者には、自分を犠牲にして国に殉じた志士の詩を常日頃吟じているので、こんな馬鹿な人は一人もおりません。一人一人が、一寸した「奉仕」を心がけ実行するだけで良いのです、そして少しでも明るい日本にしようではありませんか。
平成9年(1997)やさしさ「野の仏には虚飾なき人間の願望や慈愛の情がこめられている」福田蓼汀(野の仏)
「欲ハナク決シテ嗔ラズイツモ静ニワラッテイル」宮沢賢治(雨ニモ負ケズ)
「柔よく剛を制す」という言葉があるが閻魔大王の顔より観音様のやさしい顔に心ひかれます。
平成10年(1998)元気吟道精神「吟道は気を養う道也 人の生や気也 気()くれば死す 気は以て養わざるべからず
古来憂国の志士たちは「正気の歌」を作り、人々に多大な感銘を与えました。
朝のこない夜はありません、輝く太陽の昇る朝を信じて、元気を出して頑張りましょう。
平成11年(1999)励まし「苦しんでいる人や 悩んでいる人には こう励ましてやろう 勇気を失うな くちびるに歌をもて 心に太陽をもて」山本有三(心に太陽をもて)
厳しい年になりそうですが、お互いに励ましの心を忘れず、仲良く吟の精進に邁進しましょう。
平成12年(2000)簡素敗戦した日本は裸一貫となり、食うため生きるため一生懸命に働き、経済大国になりました。
「満つれば欠ける」の譬えのように、バブルがはじけて日本は大きな赤字国に転落したのです。
良寛さんの「欲無ければ一切足り 求むる有れば万事窮す」の詩句を味わいましょう。
日本国旗の簡素な美しさ、美の象徴・富士山を仰ぎ見ましょう。
平成13年(2001)自覚自分の立場・状態・能力などを良く知ること、わきまえることは大事なことです。「籠に乗る人担ぐ人 またその草鞋を作る人」人それぞれの立場立場で責務が違うことを自覚しなければなりません。
平成14年(2002)平和何時何処で何が判らないのが今の日本、いや世界の状況なのだ。
世界で唯一の被爆国である日本は、二度とこの大惨事を繰り返してはならないと世界に訴え続けている。
昨年(平成13年)ニューヨークの同時多発テロ(9.11事件)で、世界中が暗くなって人々の心も不安でいっぱいだ。今日もなお地球上から戦争が絶えない、世界の平和を心から祈念したい。
平成15年(2003)礼と節衣食足りて礼節を知ると云うが、今は衣食足りて礼節を忘るの時代ではあるまいか。吟道は「礼と節」をモットーとし、知らず知らずの中に心に栄養を与え心を美しくしてくれている。美なるものに感動する心を忘れないようにしよう。礼節は人の道として当然踏むべき当たり前のことである。
平成16年(2004)(さわ)やか明治天皇の御製に、さし昇る 朝日のごとく さわやかに もたまほしきは 心なりかり というのがあります。
昇る朝日には思わず合掌したくなる、あの時の気持は爽やかそのものです。この爽やかな、すがすがしい気分は正に値千金です「仰ぎ観る富岳何ぞ秀麗なる」我々は自分の心を爽やかに持つ心がけが大事です。
平成17年(2005)自分に厳しく徳川家康公遺訓(人の一生は)に「おのれを責めて人を責むるな」とあります。とかく世の中は、人には厳しいが自分には甘くなり勝なものです。諺にも「艱難汝を玉にす」とあるが、苦労を重ねると人間は立派になると云われます。自分に厳しくするよう心掛けようではありませんか。
平成18年(2006)気力病気は気を病むと書くが、気を病まないように気力の充実に心がけましょう。吟道精神に「吟道は気を養うの道」とあるが、吟ずれば元気が出る、大いに吟じよう。
平成19年(2007)吟楽論語に「これを知る者は これを好むに如かず これを好む者は これを楽しむに如かず」とあり、伊達政宗は「馬上青年過ぐ 時平かにして白髪多し 残躯は天の許す所 楽しまずして復如何せん」と詠んでいます。吟は吟ずる楽しみと聞く楽しみがあり、又格別なものがあります。
平成20年(2008)ありがとう身体の五臓六腑の活動・空気・太陽・水、どれ一つ欠けても大変なことになります。また食べ物の恩恵は勿論です。天・地・人あらゆる面の恩恵に対し心から「ありがとうございます」とお礼を言いたい気持です。春ここに 天にも地にも 情あり(岳精)
平成21年(2009)今が人生だ一億の人に夫々の人生がありますが、人の運命は全くわかりません。何時何処で何が起こるかわからないのが人生です。しかし、春は必ずやってくるし朝のこない夜はない。今こそしっかり踏ん張る時です、どんな時でも夢を捨てず、夫々の人生を精一杯生きよう。今日見える喜び・歩ける喜び・食べられる喜び・吟じられる喜びに感謝しよう。今日の連続が人生です、今の人生に全力投球しよう。
平成22年(2010)吟縁に感謝人生は所詮人と人との関わり合いです。そして初まりは出会いです、人生出会いは極めて大事です。不真・不善・不美がはびこっている情ない世の中に「真・善・美」を唱え、詩を吟ずることは何と有難いことか、我々は改めて吟縁の有難さを認め感謝したい。
平成23年(2011)初心に帰る本年より宗家・横山精真先生の指標
私共は直接的間接的に家元・横山岳精先生のご縁を得て、吟を学び楽しんでおります。そして全国の会員の活動によって流統は形作られております、先ずは、このご縁に感謝致します。長い年月は良き経験を積み伝統を作りますが、ややもすると形骸化し本質を見失う恐れも生じます、最も大切に思われることは「初心に帰る」ことであります。
平成24年(2012)清新の気吟の教場は常に清新の気で充たされ、真剣に吟じ、友の吟声を心で感じ続けたいものです。会詩は私共の喜びと誇りを表します、日々清新の気を持ってこそ味わえるもので、緊張感と厳粛な気持は生活の薬でもあります。
青春とは 人生のある期間を言うのではなく 心の様相を言うのだ(サミエル・ウルマン)
平成25年(2013)学ぶ「学ぶ」ことは日本人の特質や美質にも思え、岳精会で吟にいそしむ時、この言葉ほどあてはまる言葉はないと思います。江戸時代の儒学者・佐藤一斎は「(わか)くして学べば 則ち壮にして為す有り。 壮にして学べば 則ちお老ゆとも衰えず。 老いて学べば 則ち死すとも朽ちず。」という言葉を残しております。
平成26年(2014)本気吟は世の為に貢献し又人生の支えになっています、これにはやはり共に学ぶ基本的な活動以外に道はありません。学びは果てない道です、「本気」で生涯学習の吟道に取り組みましょう。
平成27年(2015)日に新たに(まこと)に日に新たに、日日に新たに、また日に新たなり」(中国古代王朝・殷の湯王「大学」)、日々努力を重ね心を磨いて、自己を啓発していかねばならない。勉学にいそしむ者、仕事に追われる者、役職にある人は一日一日の進展を自覚したいものです、日々の出来事に対応しなければなりません。
平成28年(2016)気を養う吟道は気を養うの道也 人の生や気也 気()くれば死す 気は以て養わざるべからず(木村岳風先生「吟道精神」)、今日まで私共が大切に続けてきた吟が、何を大切ににして来たのか原点に立ち返って見る事が必要です。大切なものに今も昔もないと思われます。日本人には外国が敬意を表する美質があります、その日本人に育まれた吟道です。
平成29年(2017)気概「困難を積極的に乗り越えて行こうとする、強い気持ち。意気地」と辞書にはあります。言葉は単なる意味だけではなくいろいろな広がりをもっております。私はこの言葉に、真のプライドなるものを思いました。岳精会で学ぶ者の真の誇りであります。今となっては尚更の事です。
横山岳精に直接頂いたご恩、或いは横山岳精を原点とする師友へのご縁やご恩に報いる為にも人生を有意義に精一杯生き抜きたいものです。「真善美」に向かって大いに生きて行きたいものと思います。

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