吟剣詩舞の舞台
日本には、能楽・歌舞伎・日本舞踊・邦楽など多くの演じ物がありますが、その舞台演出には色々と工夫が重ねられています。
ここでは吟剣詩舞の舞台演出について説明します。
(公財)日本吟剣詩舞振興会・機関誌「吟と舞」特別号Vol.2より抜粋・転載させていただきました。
【送り手(演技演奏者・音楽・照明・舞台装置・機器操作など)と受け手(観客)】
自己よがりではなく、あくまでも観客にたいしての細心の心配りが必要です。
【吟剣詩舞の音楽】
吟詠・剣詩舞どの分野も大切ですが、とくに伴奏音楽は必須です。昔は社会的身分に応じ音曲の種類が決められており、平安時代の貴族は雅楽、鎌倉時代の武士は能楽・琵琶、一般庶民は念仏踊り・神事的要素をもった唄や踊りが流行っていました。
雅 楽 能 楽 琵 琶 念仏踊り
江戸中期から後期にかけては、官能的なまでに人間性が解放された歌舞伎音楽に三絃が多く用いられ、遊里的歌謡が流行しました。
この音曲には二つの流れがあります。
語り物(浄瑠璃・義太夫・一中節・常磐津・清元・新内・平曲・薩摩琵琶・筑前琵琶・謡曲・浪曲)
歌い物(長唄・端唄・小唄・大和楽・荻江節・筝曲・地唄・民謡・朗詠・雅楽)
詩吟は基本的には語り物と云われますが、もっと深く探求していかなければなりません
【伴奏の変遷】
ひと昔前までは、吟詠は無伴奏で音程などに関係なく胸を張って力いっぱい吟じるのが正しいとされ、「吟は正しい心に共鳴する魂の叫びである」とか「質実剛健をもって心の修養に励むべし」と教わってきたものです。しかし時代とともに質実剛健だけの自分よがりの吟剣詩舞で良いのだろうか? と思われるようになりました。
しかし洋楽器を利用しても、音律は吟詠に適したもので漢詩や和歌などの演奏には、落ち着いた深みがあり清楚で品格のある音色が望まれます。
尺八・箏 鼓 二胡 シンセサイザー
【美とは何か】
吟剣詩舞における美とは、時間と空間による「美」であります
いつまでも人の心に残る美しさを求めてゆくことが大きな課題であります。
このページの最終更新日時:2020-04-02 (木) 13:19:31